背骨の痛い部分を確認していくと、下の写真で示した部位に痛みが確認されます。
《背骨の痛い部分を確認しながら、痛い所にパッチを貼った状態》
一見背骨が痛いように見えますが、背骨には神経が通っていないので、医学的に骨が痛いという事はありません。
背骨の筋肉がどうなっているか比較すると、、痛みの原因は背骨にくっついている「多裂筋」という筋肉である事が分ります。
背骨が痛い原因、多裂筋とは?
多裂筋とは首から腰にかけての背骨の両側に付いている細い筋肉の集合体です。両側の多裂筋が脊柱の伸展をし、片側で脊柱の回旋、側屈する働きもあり関節運動にも作用しますが、その働きはわずかであり、運動へ貢献する度合いはほとんどありません。多裂筋はインナーマッスルに分類されますので、関節運動を行うというよりも背骨の椎骨をおさえる役割が主と言えます。 多裂筋は学術的に「腰多裂筋」と「胸多裂筋」「頸多裂筋」の3つに細かく分類され、この中でも腰椎を支える「腰多裂筋」は脊柱を支えているために非常に重要な筋肉です。背中や腰に痛みを感じる方の多くは多裂筋の機能不全が原因であるとされており、そのままにしておくと腰痛の悪化、もしくはその他の疾患にも繋がり生活に支障が出てしまいますので早めの治療が必要となります。背骨、多裂筋を傷めない為のおすすめストレッチ3選!
背骨、多裂筋を痛めると腰痛の悪化やその他の疾患の原因となってしまうので、日々の予防が重要となります。ここでは多裂筋やそれに付随する筋肉におすすめのストレッチを紹介します。過度なストレッチはかえって背骨や多裂筋を傷めてしまうこともあるので、いずれも自分がきつくない状態で、可能な範囲で行うようにしてください。多裂筋にきくおすすめストレッチ1:ドローイン
ドローインは多裂筋を含むインナーマッスルを鍛える万能なストレッチです。誰でも簡単にすることができるので、正しいやり方を学びましょう。- 床に仰向けに寝て両膝を立てます。
- 何度か腹式呼吸を行い、お腹を動かせます。
- 息をゆっくりと吐きながらお腹を徐々に凹ませていきます。
- これ以上はお腹がへこまないというところまで息を吐き切ります。
- その状態で10~30秒維持し、元へ戻します。
多裂筋にきくおすすめストレッチ2:猫のポーズ
猫のポーズは四つん這いで背中を丸めることで多裂筋をストレッチできます。- 四つん這いになり、背中をまっすぐ伸ばします。
- 息を吐きながら背中を丸めていきます。
- 背中を天井に引き寄せるイメージで、猫がするような丸まった姿勢にします。(この時、頭は上げないようにしてください)
- その状態で3回くらい深呼吸をしながら、30秒ほど姿勢を保ちます。
多裂筋にきくおすすめストレッチ3:ハンドニー
ハンドニーは少し難易度の高いストレッチです。やるのがキツイという方は、無理に行わない方がいいでしょう。- 四つん這いになり、背中をまっすぐ伸ばします。
- 片手を上げ床と平行にまっすぐ伸ばします。この時、顔は上げないように注意してください。
- 上げた手とは反対の足を、床と平行になるようにまっすぐ後ろに伸ばします。
- 呼吸をしながら、その状態で10秒ほど維持し、元へ戻します。
背骨が痛いのは多裂筋だけじゃない?その他の原因
その他の背骨が痛い原因としては、「骨粗しょう症」、「脊椎圧迫骨折」、「多発性骨髄腫」等いろいろな症状があります。ここではこれらの症状について簡単に解説していきます。骨粗しょう症
「骨粗しょう症」は骨の密度が低下して骨がスカスカになり、骨折が起きやすくなる病気です。 骨粗しょう症の原因は、加齢、生活習慣、関節リウマチなどが主です。特に加齢による骨密度の低下は誰にでも起こり得、現在日本の総人口の約10%、1100万人程度が骨粗しょう症で、予備軍まで含めると2000万人を超えるとも言われています。脊椎圧迫骨折
「脊椎圧迫骨折」は骨粗しょう症の方がなりがちな背骨の骨折です。日々の身体の動きや、特に寝返りや起き上がり時に背中に痛みが出ることが多いです。背骨の骨折は最悪の場合寝たきりとなってしまうこともありますので注意が必要です。多発性骨髄腫
「多発性骨髄腫」とはいわゆる血液のがんであり、骨がもろくなるだけでなく血球の減少に伴う貧血、腎臓の機能悪化、免疫力の低下など多彩な症状を呈する病気です。背骨が痛い、実は背骨が原因ではない?原因は多裂筋にあり!まとめ
ここまで解説しましたように、背骨の痛みは多裂筋だけでなくその周り、身体全体にも影響を及ぼしてしまう可能性があります。日々予防を行なっていくことが重要ですので、ストレッチは欠かさず行うようにしましょう(過度なストレッチはかえって背骨や多裂筋を傷めてしまうこともあるので注意してください)。それでももし背骨や多裂筋の痛みを感じてしまったら、そのまま放置してしまうと腰痛やその他疾患の原因となってしまいますので早めの治療を行い背骨の痛みを取り払いましょう。筋肉の痛みは人それぞれですので湿布や整体では取りきれない場合もあります。その場合は以下の解決法もお試しください。