膝の外側が痛い場合の原因
膝のどこが痛いか痛い部分を確認すると、左真のように膝の外側から太腿にかけてひろい範囲で痛んでいるのが分ります。押圧するとかなり痛いのですぐに分ります。
《膝の外側の痛い部分を確認しながら、痛い所にパッチを貼った状態》
膝の外側から太腿の外側にかけて「外側広筋」と言う太い筋肉があり、膝関節の伸展に深く関わっています。膝の外側が痛い場合はこの「外側広筋」が痛んでいる可能性が非常に高くなります。
膝の外側を痛めやすい人の特徴
・自転車(サイクリング・ロードバイク)の趣味がある
・長距離・長時間走るのが好き
・40代以上の方
・O脚の方(女性に多い)
膝の外側が痛いと来院される方に特に多いのがランニングを趣味にしている人、サイクリングを趣味にしているです。サイクリングもランニングも健康的な体づくりをするのに人気の運動ですが、度を超えたトレーニングをすると膝の外側にある筋肉や靭帯を痛める原因になります。
また、長距離・長時間のランニング、自転車をされている方で膝の外側が痛いと言う方のほ多くが、「腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん)」と呼ばれるという症状を発症しています。
ランニングや自転車が趣味の方は周りに何人か発症している方がいると思います。馴染みがある言い方だと「ランナー膝」とも言います。
また、40代を超えるとこれまで膝にかかっていた負荷が原因で変形性膝関節症を発症して膝の外側が痛くなったり、O脚の方は膝が外に出っ張っているので太ももの外側から膝の外側にある腸脛靭帯が骨と擦れやすく、こちらも腸脛靭帯炎になって膝の外側を痛めやすいです。
膝の外側が痛い人の主な原因
膝の外側が痛い時はすぐに整形外科に行くようにしましょう。スポーツをしている最中、スポーツが原因で膝の外側が痛くなった人はスポーツ障害を得意としている整形外科医に行くことをおすすめします。
整形外科で膝の外側が痛いと言って見てもらうとほとんどが以下のような診断をされます。
・腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん)
股関節の外側から太ももの外側をとおって、膝の外側の少し下の脛骨(スネの骨)辺りまで繋がっている腸脛靭帯(ちょうけいじんたい)が太ももの骨と擦れるなどして炎症が起きることで発症する症状。
腸脛靭帯炎を発症すると走ったり、しゃがんで膝の外側を曲げると痛いと感じます。これはスポーツをしていなくても日常生活の中で筋肉や腱を酷使しすぎると発症することもあります。
整形外科で治療する際はスポーツや運動の制限、鎮痛剤の湿布など痛み止めの薬などで炎症を抑えます。
・変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう)
膝関節が加齢や使いすぎなどが原因で膝の軟骨がすり減り、放置しておくと進行して骨まで変形することもあります。発症すると膝関節が腫れてたり痛みを感じるようになります。
変形性膝関節症の初期段階は、動きはじめに痛みを感じるのが特徴的です。長く座っていて急に立ち上がった時や、膝に負担のかかる階段の下り、歩き始めに痛みを感じることが多く、動いていると痛みが楽になることが多いです。
症状が悪化すると歩いているときにずっと膝に痛みを感じるようになります。また膝の曲げ伸ばしにも制限がかかったり、夜寝ていても膝に痛みを感じるようになります。
改善方法としては肥満傾向の人は少しでも体重を落として膝への負担を軽くする。走ったり、飛んだり、重い荷物を持ったりしない。膝関節を温める。膝関節の周りの筋力を鍛えて膝を守る筋肉のサポーターを作ることです。
・外側半月板損傷(がいそくはんげつばんそんしょう)
膝に体重がかかった状態でひねったりしたときに膝関節の外側にある半月板が断裂することで発症します。10〜30代のスポーツに熱中している人が競技中に発症することが多いです。40代以降になると立ったり座ったりの動作や、階段の上り下りでも発症することがあります。
半月板を損傷した場合、小さい傷であればリハビリなどで症状が治ることも多いですが、大きい傷の場合は手術が必要になります。手術の有無に関係なく半月板を損傷したら膝周りを支えている大腿四頭筋などを鍛えることが重要です。
・外側側副靭帯損傷(がいそくそくふくじんたいそんしょう)
スキー、柔道、ラグビーといったスポーツで膝を外側にひねった際に、膝の外側にある外側側副靭帯を損傷することで膝の外側に痛みを感じます。靭帯を損傷してしまったら膝の動きを制限する専用の装具を装着して、大腿四頭筋の筋力をつけるリハビリを行います。
膝の外側が痛い原因のまとめ
膝の外側が痛い場合は膝の周りだけではなく、太ももにかけて筋肉や靭帯が炎症していることがほとんどです。膝の外側は股関節や太ももからすねにかけて長い筋肉や靭帯があるため、膝の外側の痛みを改善するには膝だけに湿布を貼ってもあまり効果はありません。
一時的に炎症は治るかもしれませんが、根本的に解決するには太ももの外側の筋肉や靭帯の炎症を抑える。太ももの筋肉を鍛えて膝の周りに筋肉のサポーターをつける。などの改善が必要です。
膝の外側が痛くて整形外科に行ってリハビリを続けているけど慢性的に膝の外側が痛いという方は、炎症を抑えきれていない可能性があります。慢性的に膝の外側が痛い方はスポーツや運動を控えてしっかりと炎症を治すことに集中してからスポーツやトレーニングを再開しましょう。