背中の右側(左側)が痛い場合の原因
背中の痛い部分を確認していくと下の写真のような状態になっています。
《背中の痛い部分を確認しながら、痛い所にパッチを貼った状態》
上の写真と背中の筋肉の状態を比較すると、痛みの原因は背中の「脊柱起立筋」に起きているという事が分ります。
背中の右側(左側)が痛い原因は大きく分けて二つ
背中の右側や左側のどちらかに集中して痛みを感じる場合は、痛む場所や痛み方によって筋肉の使いすぎによって起きる筋肉疲労が原因のものもあれば、筋肉ではなく内臓に異常がみられる二つのパターンがあります。内臓に原因がある場合は、緊急性の高い病気になっている可能性もあるので要注意です。
背中の右側が痛む原因の多くは姿勢の悪さや筋肉の疲労蓄積によって起きる炎症がほとんどですがもし、ご自身の背中の痛みの原因が筋肉の炎症によるものなのか、内臓に原因があるのか不安という方は、以下の点をチェックしてみてみてください。
背中の右側が痛む原因が筋肉の場合
・背中の右側に痛みが出るようになった日から、10日以内に普段しないような動きや運動をしている。または背中に負担がかかるようなトレーニングを行った。
・長時間同じ姿勢でデスクワークや立ち仕事をしている。
・足を組むクセや頰杖をつくクセがある。重たい荷物を片方の肩で担ぐことが多い。
これらに該当する場合、背中の右側の痛みは筋肉の炎症による痛みと考えられます。当院に「背中の右側が痛い・・・。」と来院される患者さんにはまず、痛みの原因を探るためにいくつか質問をするのですが、中には「どれも当てはまらない。」と答えられる方もいらっしゃいます。
ですが、そういった患者さんの多くがご自身で”これは違う。”と決めつけているケースが多く、よく聞いてみると『週末にタケノコ掘りに行った。』『甥っ子を抱っこした。』といった自分では負担になっていない。と思っていることが決め手となって痛みを発症されていることもあります。
他にも、足を組む・頰杖をつくといった姿勢が原因で骨格にズレが生じていることや、重たい荷物をどちらか一方で持つクセがあると、片側の筋肉に負荷がかかって背中の右側(左側)の筋肉を痛めてしまします。これら骨格のズレや筋肉の炎症が原因で背中の右側が痛い場合の具体的な対処法は、また後ほどご紹介します。
背中の右側が痛む原因が内臓にある場合
背中の痛みの原因は筋肉の炎症であることがほとんどですが、一方で背中の痛みが慢性的に続いている。または、寝ている時など体を動かしていなくても背中に痛みを感じる場合は、内臓の病気を疑ったほうがいいかもしれません。
背中の部位によって疑うべき症状は異なりますが、背中の右側が痛い場合は食べ過ぎ飲みすぎいよる肝臓の異常。胆石症や胆嚢疾患といった症状の可能性があります。背中の左側が痛む場合は心臓に異常がみられるケースもあるので、動いていない時に吐き気、発熱、食欲不振を伴う背中の痛みは早急に内科で診てもらうことをお勧めします。
骨格のズレが原因で背中の右側が痛いときの対処法
足を組んだり、頰杖をつくクセのある人は体全体のバランスが崩れてしまっています。体のバランスが崩れてしまうと、片側の筋肉は引っ張られ反対の筋肉は縮こまってしまいます。その結果、姿勢が崩れて内臓を圧迫してしまい筋肉の痛み以外の症状まで発症させてしまうことになります。
背中の右側(左側)の痛みを改善するにはまず、こういった体の筋肉のバランスを崩してしまうクセを行わないよう日々意識しましょう。と言っても体に染み付いたクセをいきなり直せと言われても直すのは難しいと思います。
どうしても足を組んでしまうという方は同じ足を上にするのではなく、反対の足を上に組んで骨盤や筋肉の歪みがなるべく大きくならないように組み替えを行ってください。あくまでもこちらは一時的な対処法なので、なるべく日頃から体のバランスを気にして足を組む・頰杖をつくといったクセを改善するよう心がけましょう。
筋肉が原因で背中の右側が痛いときの対処法
長時間のデスクワークや立ち仕事をしていると脊骨を支えている脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)という、上の画像の部分の筋肉に負担がかかります。無意識にどちらか一方に体重をかけていたり、右腕をよく使うなど負担が偏っていると一方の脊柱起立筋が炎症をおこし、「右側(左側)だけが痛い!」という症状に繋がります。
これら筋肉のバランスを整えるために以下のストレッチを行って、筋肉の緊張を適度にほぐしてあげれば背中の右側(左側)が痛いという症状を抑えることも可能です。
バルーンストレッチ
長時間デスクワークをしている方にオススメのストレッチです。作業の合間にこまめに背中の筋肉の緊張をほぐすことで血行がよくなり痛みを和らげることができます。
1、イスに座った状態で両腕を外側にひらく。
このとき、肩甲骨をひき寄せながら手のひらを外に向けて息をめいっぱい吸ったところで3秒キープします。
2、腕をゆっくりと戻して体の横にダランと下ろす。
腕を戻すときは少しずつゆっくりと息を吐きながら、体の横にダランと脱力した状態でおろします。
こちらのストレッチはこの動作を一回行うだけでいいので、深い呼吸を意識しながら丁寧に行います。作業がひと段落したときや、仕事を始める前などに行うといいでしょう。
背中の筋肉をゆっくり伸ばすストレッチ
とても重要なので繰り返しお伝えしますが、左右の筋肉のバランスが崩れることで「背中の右側が痛い。」「背中の左側が痛い。」というように背中の片側に強く痛みが発症します。このストレッチを行えば背中全体の筋肉を伸ばすことができるので、縮こまっている筋肉や引っ張り続けられて負荷のかかっていた筋肉の本来のバランスを取り戻すことができます。
1、腕を上にあげて手のひらを上に向けて組みます。
2、そのままゆっくり呼吸をしながら足は地面から話さずに腰から上をぐーっと上に伸ばします。この時、呼吸は止めずに背中を伸ばします。
3、そのまま体を横に倒していき体の横の筋肉を伸ばします。5〜10秒ほどゆっくりと呼吸をしながら姿勢をキープします。
4、反対も同じように行います。手を下ろすときも一気に下ろすのでなく、ゆっくりとおろしましょう。いきなりおろしてしまうとせっかく伸ばした筋肉がまたギュッと縮んでしまいます。ストレッチはゆっくり丁寧に行ってください。
背中の右側が痛い時の対処法まとめ
背中の右側が痛いときは症状によって対処法が変わります。発熱、吐き気、食欲不振など慢性的な背中の痛みと合わせてこれらの症状がある場合は、内臓に何らかの異常があることが考えられます。動いていないのに背中に痛みを感じるようであれば内科で診てもらってください。放置していると大きな病気に発展してしまうこともあります。
動くと背中の右側が痛いという方は、足を組む、頰杖をつくなど、体のバランスがどちらかに偏ってしまうことで、骨格がズレる。筋肉が痛んでいるというケースがほとんどです。こういったクセがある方は、まずクセを直すことを徹底してください。
どれだけ整形外科、整体、マッサージに通ったとしても、クセが抜けないことには繰り返し背中の筋肉を痛めてしまいます。クセの改善と共に時間があればご紹介したストレッチを行うなどして筋肉の緊張をほぐして血行をよくする。筋肉のバランスを整えるなど日々体のメンテナンスを行うだけでも痛みが和らぐことがあります。
「湿布を貼っているのに・・。」「整体やマッサージに通っているのに。」一向に背中の右側(左側)の痛みが取れない。という方は下の解決方法も一度お試しください。