体(背骨)が曲がる症状、側弯症とは?
「
側弯症(そくわんしょう)」とは、
背骨が左右のどちらかに弯曲してしまうことを言います。通常は小児期によく起こる症状ですが、小児期に発見できずそのまま成人してしまう場合や、成人してから突発で発症するというように、
大人になってから発症する場合もあります。 上の写真が「側弯症」と診断された状態です。背骨が湾曲していますのでこれは背骨の病気だという診断になりますが、
注意してみると背骨と一緒に骨盤も曲がっているのが分ります。右のお尻が傾いて、イスから浮き上がっています
。この他にも左右の肩の高さが違ったり、肩甲骨が突き出てくるような状態も側弯症と呼びます。弯曲の進行具合(角度)により治療法は様々ですが、
発見が遅れたり適切な処置を行わないと心肺機能にまで影響が及ぶ場合もあり、手術による治療が必要となることもありますので注意が必要です。
体(背骨)が曲がる側弯症になると何が問題か
側弯症の問題点として、以下の4点が挙げられます。
- 背骨が弯曲することから左右のバランスが合わなくなり、歩行に影響が出る
- 容姿、姿勢が悪くなり、精神的にも影響を与える
- 背骨周辺だけでなく背面全体や腰にまで影響を及ぼすことが多く、痛みを伴うようになる
- 弯曲が進行してくると胸部が狭くなってしまうことから呼吸器系や、心肺機能にまで影響が及ぶことがある
体(背骨)が曲がる側弯症の原因は
側弯症は主に機能性側弯症と構築性側弯症に分けられますが、それぞれの原因を次に説明します。
機能性側弯症
機能性側弯症は背骨そのものに原因はなく、単純に姿勢が悪いことにより起きていたり、
骨盤の傾きや腰痛の延長で引き起こることが多いです。湾曲の原因は様々ですが、
適切な処置を行っていくことによって湾曲は完治します。
構築性側弯症
構築性側弯症の原因としては先天的に脊椎に異常があったり成長期の背骨の左右差、神経や筋肉の病気が原因で背骨に影響を及ぼしていることがありますが、
構築性側湾症の実に9割が突発性側弯症と言い遺伝的要素からくるものと考えられていますが、詳しい原因はいまだにわかっておりません。突発性側弯症は思春期の女子に多く、それ以外にも乳児〜学童期でも発症しやすいです。
側湾症かどうかを確認するポイント
側湾症かどうかを確認するポイントは、両肩の高さが非対称となっていないか、肩甲骨が突出してないかというのが主ですが、それだけではありません。体(背骨)が曲がっている
側弯症の方は腰痛などの症状もあることから、骨盤も傾いていることが多いです。つまりこれは
背骨が曲がっているのではなく、先に骨盤が傾いているために背骨が曲がってしまうということです。ではなぜ骨盤が傾くのかと言うと、骨盤と肋骨をつないでいる
「腰方形筋」という筋肉が悪いからです。自分で押圧しても分りますが、側湾症の方は左右の「腰方形筋」がすごく硬くなっていると思われます。片方は収縮した状態で硬くなっていて、もう片方は伸びた状態で硬くなっています。こうなってくるとウエストラインが非対称になったり、背骨周り以外の部分にも影響が出てきます。
体(背骨)が曲がる側弯症の予防と治療
側弯症は進行具合が軽度である場合は生活習慣の改善や運動により経過を観ていきますが、
進行してくると装具治療を行ったり、手術を行う場合もあります。側弯症は手術が必要となるような状態となっても痛みが発生しない場合も多いのですが、症状が進行すると心肺機能にまで影響を及ぼすことがあるため注意が必要です。手術の対象となるかどうかは背骨が曲がった角度により定めていますが、外見でもわかるような場合に容姿の矯正を目的として手術を行うことや、進行が早いと胸部が狭まることから呼吸器にも影響が出るためこれ以上の弯曲を防ぐために手術を行うといったことも多いです。そうならないためにも早期発見が重要ですが、例えば
側湾症が進行し骨盤まで傾いてしまった場合でも「腰方形筋」という筋肉を正常(柔らかく伸びる状態)に戻すことで骨盤の傾きも改善して背骨の状態を上の写真のように変えていくことが可能です。
これらのように、体(背骨)が曲がってしまう側弯症は適切な処置により湾曲した背骨を元に戻していくことができます。
以下のページに具体的な処置の方法を掲載していますので、そちらもご覧ください。
体(背骨)が曲がっている(側弯症)場合の解決方法はコチラです。