膝(皿)の周りが痛い場合の原因
写真は膝の周りが痛くて歩けない状態の方の例です。押圧すると、膝(皿)の周り全体に痛みが見つかります。しかし個人差があって、この事例はかなり酷い方です。
《膝の周りの痛い部分を確認しながら、痛い所にパッチを貼った状態》
膝(皿)の周りは、太腿から伸びる筋肉が繋がって、膝関節の伸展に関わっています。膝の皿の周りが痛い場合は、これらの筋肉が痛んでいる可能性が高くなります。多くは「内側広筋」「外側広筋」「中央広筋」の接続部分が痛んでいるケースが多くようです。
膝の皿の周りの痛みの原因のほとんどが筋肉の炎症
膝の皿の周りに痛みを感じて整形外科などで診てもらうと、多くの人が膝と膝の間が狭くなっていて軟骨がすり減っているのが痛みの原因と言われます。ですが軟骨がすり減っただけでは膝の皿の周りに痛みを感じることはありません。
そもそも、骨や軟骨には神経が通っていないので軟骨がすり減って骨と骨がぶつかっても膝の周りに痛みを感じることはありません。一般の方は医学の勉強をしていない限り人体についての知識は持っていません。なのでレントゲン写真を見て骨の間が狭く写っていると、軟骨がすり減って痛いと言われるとなんとなく納得してしまいます。
軟骨がすり減っているのは間違い無いのですが、膝の皿の周りが痛い原因は軟骨がすり減って痛いのではなく。軟骨がすり減ることで膝周りの筋肉や腱が縮こまり、筋肉が炎症を起こして痛みを感じるのです。
膝の皿の周りが痛い場合、膝の皿の周りを指で少し力を入れて押してみてください。指で押して痛い所が炎症を起こして痛んでいる筋肉になります。
膝の皿の周りの痛みは自分で改善できる
膝の皿の周りの痛みはある程度の症状なら自分で改善することができます。ここでは自力で膝の皿の周りの痛みを改善するための3か条をお伝えします。
膝の痛みを改善する3か条
1、太ももの筋肉を鍛える。
太ももの前面にある大腿四頭筋(だいたいしとうきん)を鍛えることで膝の皿を支えている筋肉を強化できます。これにより、筋肉が弱まって正常な位置からずれている膝の皿(膝蓋骨)を正常な位置に戻し、筋肉が縮こまって起きていた炎症を改善することができます。
2、膝の皿「膝蓋骨(しつがいこつ)」をよく動かす
膝の皿(膝蓋骨)は太ももの筋肉を動かすのに大きな役割を果たしています。足を伸ばしたり、足をお尻の方に曲げたりすると膝の皿が上下に動くのが分かると思います。つまり、足を動かす上で膝の皿(膝蓋骨)の動きはとても重要だということです。
足を伸ばしたり曲げたりするのは大変なので、膝の皿を動かす簡単な方法をご紹介します。
1、足を前に伸ばして膝の皿の上を両手の親指で下にグッと押して3秒キープ。3秒たったら2秒ほど休憩。
2、次に膝の皿を下から両手の人差し指でグッと上の方に押して3秒キープ。3秒たった2秒ほど休憩。
3、これを上下10回ほど繰り返します。
3、なるべく歩かない。
膝の皿の周りが痛いときはなるべく歩かずに安静にします。歩かないでいたら筋肉が衰えてしまうんじゃないかと心配になるかもしれませんが、普段からトレーニングしている人なら2〜3週間は筋肉は衰えませんし、普段あまり運動しない人でも1週間ほどなら大丈夫です。
膝の皿の周りが痛いときは無駄に歩くのを控えて膝への負担を取り除きながら太ももの筋肉を鍛えつつ、膝の皿を動かしていれば膝周りの痛みを改善することができます。
痛みが改善しない場合
膝への負荷をかけないために安静にして、膝の皿を動かしてながら太もものトレーニングをしても膝の皿の周りが痛い場合は一度病院で見てもらい、膝に水が溜まっていないか?滑膜に炎症が起きていないか?聞いてみてください。
膝の皿の周りを押して痛い場合、原因のほとんどが筋肉の炎症によるものです。まずは膝の痛みを改善する3か条でできる限り自分でケアしましょう。